2015/02/16

バラバラになったものが1つに

産後休業の出産日から8週間の56日間は
法律で仕事はしていけないと禁じています。

どうしてそこが56日と決まっているのか
私にはよくわかりませんでした。

ですが息子が2ヶ月になったとき
つまりそれは60日経った頃ですが
ようやく意味がわかりました。
あながち
この法律、間違ってないなーと。

出産という日を境に大きく何もかもが変わるママ。
体が変わり、心が変わり、生活スタイルが変わります。
妊娠という10ヶ月もの時間を使って
それなりに準備をしてきてはいますが
はっきり言ってそれであっても変化の衝撃は凄まじいです。
個人差はあるかもしれませんが。

私の場合は
まず体が私の知っている体でなくなってしまった為
そこを戻すのに必死でした。
とにかく痛い。痛い。。痛い。。。
動かない。立ってられない。歩けない。
これらって生きる為の基本行為じゃないですか。
それがうまくできない辛さ。
トイレにいくのすら億劫になるほどです。
そこに授乳という新しいアクション。
続けて眠れない苦痛。
こりゃあ、とんでもないことになってしまった!
私が選んでしたのにもう無理だと思いました。
この苦痛な毎日をどの時代のママも越えてきたのかーっ!と。
とにかく私の体を探す1ヶ月を送りました。

ようやく体が自分の知っている体になる
正確に言うと慣れてきたというか
頭と体が一致してくると
今度は自分の心を探すようになりました。
私ってなんだ?みたいな感じです。
軟禁状態で自由のきかない毎日はルーティーンで
体がまた痛くなるのではないか
今日もまた眠れないかも
という恐怖にびくびくしながら石橋を叩くような生活でした。

心が戻ってくるのを感じたのは
38度の熱を出して2日間ぐったりした後でした。
汗を大量にかきまくったデトックスをし
3日目には体がとっても軽くなっていたのです。
それにプラスして時折来る
いろいろな人から来るメールがどんどん心を豊かにしていきました。

あぁ、私だ。
これ、私。

そう思えたのは2ヶ月経つ手前くらいからです。
あっちこっちに思考が飛ぶようになりました。
家の掃除やレイアウト、夕飯のメニュー
事務的な作業、仕事のこと、などなどです。

そう。
余裕が出てきたんです。

息子の対応に夫婦共にてんやわんやしていたのが
ここに来てようやくリズムをつかみ環境に慣れてきたので
余裕が出てきたのです。
30分が1時間に延び、それがちょっとずつ増えると
心が豊かになっていきました。

そうすると不思議と物欲が湧きました。
春服がほしいなー
あの髪型がしたいなー
などなど。

そしてようやく心と体と環境が
自分の魂と合致した瞬間が
先日、この写真を撮ったときでした。



ある日
一人でスーパーに行くことがあったとき
西の空の夕日が沈みかけていました。
この時、タイミングだ!と思い
海に向かいました。
本当に久しぶりに海と太陽と富士山と繋がれました。
とっても嬉しかったです。

その時、やっと全てが一致したようでした。
妊娠と出産という素晴らしい経験は経験でしたが
激変という衝撃でバラバラになった自分が
ちゃんとおさまった感じがしました。

妊娠出産以外でもこうなることはあるのではないでしょうか?
大けがをしたり病になったり
失恋したり、大切な人を失ったり
転職したり、転校したり
新しいチャレンジをしたり
大きな衝撃は自分をバラバラにします。

確かにそれに負けない自分をつくることも大事ですが
それを越える衝撃はいつ訪れるかわかりません。
わかっていたとしても
想像を越える衝撃の場合もあります。

でもその衝撃は自分に必要だった衝撃で
いつまでもそれに打ち負けていては先がないです。

私はとにかくまずは体を戻そうと思いました。
それは体型とか体力でなく
今の自分の体がどういう状態で
できる範囲はこれで、次に何をできるようにするか
24時間常に向き合いました。
そうしてできることが増えて、慣れてくると
今度は心をしっかりしようと自然に流れたのです。

どれもこれもいっぺんにどうにかするのは無理で
この世界で生きる為に魂にはこの体が必要なので
まずはやっぱり体!ということを
いつもここで書いてますが
実体験で改めて痛感しました。

その為にボディセッションは本当に重要です。

私が入院した病院では
あるボディセッションを無料で受けることができました。
薬じゃない、きついトレーニングでもない
体をセッションで触ってもらうことで楽になり
それをきっかけに体と頭が
ああ、これできるかも!と思うことが大事だと思いました。
そう思えばこっちのもんで
動かしたくなっていくんですよね。

心が体を動かしたくないと制御してしまう場合もあると思います。
そういう時こそ
自分で無理矢理動かすのでなく
ちょっと人の手を借りるのは大事なきっかけです。

でもこれはきっかけで100%ではないのです。
やっぱり自分が常に体に意識を向け
心の様子を客観的に観察して
本来の自分を取り戻すことが
とっても自然であると思います。

56日間という日数ではおさまらない人もいるかもしれません。
56日間ずっと体と心と向き合うのはしんどいかもしれません。

けれど
今思えば、大事な期間でした。
自らが選んだ妊娠出産で
なんでこんなつらい思いしなきゃならんのだ!
と自分を責めまくりましたが
学んだものは大きかったです。

私も少し自由な時間ができたら
この経験を活かし
セッションを行っていきたいと思っています。