2020/06/10

自分の繁栄を自分だけに留めない



大学を卒業し、新卒で就職し
今もまだサラリーマンをしています。
そんな最中、あるきっかけで
自分で自分のブランドawaiaを立ち上げ
サラリーマンをしながら
営業と販売をするようになりました。
モノを売ること自体は
アパレルのサラリーマンをしているのでなんてことないのですが
営業となると一筋縄ではいかず初めは苦戦しました。
しかし
これも経験を重ねると
それなりに見えてくるものがあるものです。


営業先の方々は製品を仕入れて
それを販売して売上を立てていく
これが基本的な流れです。
ですから
当然、売れるものを仕入れたいと思います。
市場価値があるもの、今流行りのもの
旬なもの、必需品なもの、キャッチーなもの
利幅があるのも、需要が高いものなど
観点は色々複合的ですが
とにかく売れるもの
つまり
自分に利益があるものを仕入れたいと思います。
会社が存続するための大事な利益
これを追求する姿勢は至極最もなことです。


この観点からいくと
私のブランドは少し見方を変えないとひっかかりません笑
ですから営業していると
ある意味、とてもわかりやすいラインが見えてきます。
私は利益を得たいからブランドを始めたわけではありません。
そもそも、膨大な利益を得たいなら
こんな変なデザインの靴下を売るブランドになんかしません。
つま先出ているなんて寒い!という固定観念が
多く広がっている市場だとわかっていての選択です。
ですから営業は至難を極めます。笑
だいたい怪しいアイテム扱いです。
(私自身も怪しいか。。。)
断られた数も多いですが
そんな中、今では10社以上で取り扱いをしてくださってます。
本当に嬉しい限りです。ありがとうございます!!


利益を得るためだけに存在する会社かどうか

これが私が見えてきたラインです。
わかりやすい例でいうと
転売目的で何かをしている人はまさにコレですね。
仕入れるものにも売ることにも特に何も思いはなく
考えているのは効率と利益だけ。
これはこれで
私にはできないのですごい仕事だと思っています。
ここまで割り切っている会社は少ないとは思いますが
それでも
利益にならないものは仕入れないという観点で言えば変わりないです。


卸す側と仕入れる側
売る側と買う側
これは会社と会社に限らず
一般消費者も同じことを常にしています。
自分に必要なコト
例えば
キレイになる、お腹を満たす、生活で使う
などを得るためにお金を支払います。
そこで
自分が得たことと払った対価を比べた時
自分が得たことの方が大きかった時に
お得感、つまり利益を得たような感じになります。
卸す仕入れるは
事前にそこが明確になっているかどうかなだけです。


普段、何気なくなく払っているそのお金
実は投票しているのと同じ
という表現をすることがあります。
現に
消費者が払うお金でお店や会社に成り立っているので
お金を支払うごとに得ているものはありますが
幾分は利益になっているので
そのお店や会社に存続をお願いしているようなものです。
当然、お店や会社も
より多くの方に好きになってもらうことが
結果的に売上利益が増えることになるのであの手この手を使います。
ですから
先にも話した通り
売れるモノや利益が出るモノが欲しいと思うのです。


少し話が変わりますが
以前にドリスヴァンノッテンというメゾンブランドと
深く関わる仕事をした時に耳にした話があるのですが
彼のデザインする服に
古く昔から続く伝統技術を織り込むことがあります。
それを選ぶ理由は
その技術が素晴らしく美しいからでもありますが
同時に
その技術を絶やさないためにだとも話していました。
こういった技術は工業化できるものではなく
当然大量生産できるものでもありません。
少数の人数が細々と行っていることがほとんどです。
ですからコストはとてもかかります。
ここで起きることは利益を出すために
技術者を叩き、安く作るようにすることですが
(結果的に品質が下がることもありますよね)
彼の目的は出来上がった美しいものを得るだけでなく
その技術を存続させるためにも選んでいるので
コストカットすることなくオーダーを入れます。
結果的に製品価格はとても高い金額になりますが
そんなことは気にしていないようでした。


会社が有名になったり大きくなると
影響力も出ることは言うまでもありません。
ですから
舵取りが利益をずっと追求し続けるか
ドリスのように伝統を残すことも視野に入れるかで
会社のあり方が変容することはイメージできますでしょうか?
得た利益が自分のところだけで完結するのか
それとも
他のところへも利益が広がるように考えているか
この目線の違いは大きいと感じています。
それは
何を作り出すか?何を仕入れるか?何を販売するか?
これら全てに関わってくる視点です。
伝統技術以外にも
後世に残したいもの
みんなが健康になれるもの
自然を破壊することなく、むしろ再生させるもの
すぐにゴミとならないもの
などといった利益が周りにも波及するモノを選ぶ行動は
大事な部分だと考えています。
より多くの影響力がある会社が
こんな視点で会社を運営し始めたら社会が変わります。
もしくは
その視点でモノを選ぶ消費者が増えたら
会社は変わらずを得ないでしょう。
生産者もまた同じで
そういう視点を持ってモノを生むことも重要です。


実は
どの立場においても供給側は
仕入れ側や消費者といった需要側を影響を与えることができます。
教育というとおこがましいかもしれませんが
大きくなればなるほど
影響を及ぼすことが可能な立場になることは大きな責任です。
極端に言えば
みんなガンにもできるし、みんな健康にもできます。
何を供給しようとし、売上をどう広げ活かしているかは
私が営業をはじめて見えてきた視点です。


さらに
売上というとお金に限ったことになりますが
能力といったパワー的な部分も同じです。
私が営業に行く先は私よりも大きな会社ばかりです。
先方の方が当然パワーがありますが
そのパワーの使い方も
自分の利益だけを追求して使う方もいれば
何を供給しようとし
売上をどう広げ活かそうか考えて使う方もいます。
私のニッチな製品だからこそ
営業1つでこの部分もはっきり見えてしまうものです。


時代をどう読み解くかは
皆それぞれだと思いますが
これからの時代は前者なのでしょうか?
それとも後者なのでしょうか?
需要側もまた
どちらを選んでお金を払うのでしょうか?

自分の繁栄を自分だけに留めない。

自分にある力は
もっと多くの方向へ広がると思うのです。
それを活かせるかどうか、出せるかどうか。
提供できるかどうか、共にできるかどうか。
双方向の矢印をいっぱい持っている
これが後者の姿です。
経営者として、バイヤーとして、販売者として
そして消費者の立場として
自分の矢印の形や向きを見つめてみてください。